期限の利益の喪失とは

質問先日、妻から一通の手紙を見せられました。その文書には、「3月10日をもって期限の利益を失うことになり、法的手続きにより請求・・・」と記載されており、その期限はすでに過ぎてしまっています。

銀行に電話して、滞納分(約7か月分70万円)を返済するからと言っても取り合ってもらえません。家を残す方法はないのでしょうか。

返答細かくお話を聞くと、住宅ローンを借入していた銀行には、すでに保証会社が代位弁済(債務者であるあなたに代わって銀行に全額代払い)していました。銀行の手は離れて、保証会社に移っているため、銀行に電話しても取り合ってもらえないのは当然のことです。

では、なぜ銀行はこのような手続きをしたのかというと、金銭消費貸借契約に基づく住宅ローンの支払いをあなた(奥様)がされなかったため、期限の利益が失われ、保証会社が代位弁済したのです。この段階で滞納している70万円だけ支払うと言っても、保証会社は数千万円を銀行に代払いしているので、残念ながら応じてはくれないのです。

期限の利益」という言葉について、聞きなじみがないかもしれませんので、もう少し解説します。

  • 住宅ローンを30年返済4,000万円借入
  • 毎月19万円の返済額で毎月25日を返済日

毎月決められた返済額19万円を毎月25日に返済していく権利が、あなたにはあります。今日、4,000万円払って下さいと言われても支払いできませんよね。これを期限の利益と言います。期限の到来までは債務の履行をしなくてもよい、という債務者の利益のことです(民法136条)

しかし、住宅ローンの支払を滞納してしまうとこの期限の利益を喪失してしまうのです。つまり、分割で支払う権利が無くなり、住宅ローンの全額を一括で支払わなければなりません。毎月のローンも遅れているのに、一括で支払う事なんて、出来ないですよね。

この段階まで進んでしまっていると、マイホームを残す道がないわけではありませんが、いったん手放さなければいけない可能性が高まっています。期限の利益を失った後の選択肢として、以下のようなことが考えられます。

  • 債権者からの連絡もとにかく無視。競売になるまで住み続ける
  • 少ししでも任意売却で高く売って、借金を減らす
  • 親子間売買、リースバックで住み続けたい
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最終更新:2017-05-18
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