どうせなら、競売の手続きがされる前に電話していただければ良かったんですけど、今さらそんなことを言っても何も変わりはしないので、頭を切り替え質問した。
「今からでも任意売却の話を進めることは可能ですが、限られた時間の中での交渉となるため、まとまらない可能性もあります。 そんな状況でも任意売却をしたいと思われた理由はなんでしょう?」
「あのー、家を手放すことは覚悟できたんですが、そのー、引っ越し代がなくて。。。 前に相談した時に引っ越し代ももらえるって話されていたので、任意売却をしたほうが良いかなーって思ったんです。」
競売手続き前であれば、引越し代として30万円程は認めて頂いている債権者なので、任意売却がまとまればお金を手にすることもできたでしょう。 しかし競売手続きが進み、裁判所に予納金も納めてしまった今の状況では、もらえない可能性もあります。 その場合、引越しが出来ないので、買い手がみつかっても不動産の引き渡しができないため、任意売却不成立となってしまいます。
そこで選択肢として、2つ提案しました。
1、このまま競売手続きが終わるまで半年ほど?そこに住み続けその間にお金をためる。
住宅ローンを払っていなく、管理費等も払ってないでしょうから、引越し代くらい貯まるでしょう。明け渡し猶予制度があるので、立退き料はもらえない可能性は低いですが、もらえることもあります。
2、任意売却をやってみる
競売で処分するより、任意売却のほうが高く売却できる可能性があり、債務を少なく出来るかもしれません。 引越し代ももらえるかもしれません。 ただ、任意売却がまとまらない場合、競売で終了してしまいますので、そのことも頭に入れて動いて頂かなければいけません。
任意売却のメリットの一つに、引越し代がもらえることがあります。しかし、競売手続き後に関しては交渉はしていきますが、時間がなく、売り急いでいるため、価格が低くなり、引越し代は認められないこともあります。 それでも、私はこのまま何もしないで放っておくよりは、任意売却をしてみたほうがベターだと考えます。 しかし無理強いするような話でもないので、家族で相談して結論を出してもらうことにしました。
そして数日後、電話がありました。 家族で話し合った結果、家賃10万円くらいの所に引越したいそうなので、競売が終わるまでの約半年、家賃を10万円ずつ払ってるものとすれば、60万円貯まる(住宅ローンを払ってないので)ので、そのお金で引越しします。 ですから任意売却はしないでこのまま競売にするとのことでした。