覚書であっても、印紙税が発生する場合があります。印紙税法別表第1「課税物件表」第5項によれば、契約の成立の定義を、文書の名称のいかんを問わず、契約の内容の変更の事実等により判断するとしています。
つまり、たとえ「覚書」という名称であったとしても、覚書により契約事項のうち何らかの重要な変更、補充等があった場合には、課税文書となります。この覚書が「変更契約書」であった場合の取り扱いについて、国税庁が以下のように説明していますので、ご参考にしてください。
変更契約書の記載金額については、変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかであるか否かにより、次のようにその取扱いが違います。
1、変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかな場合
例えば、変更契約書上に変更前の契約書の名称、文書番号又は契約年月日など変更前契約書を特定できる事項の記載があるような場合。
(1)変更金額が記載されている場合
これには、変更前の契約金額と変更後の契約金額との差額が記載されている場合及び変更前の契約金額と変更後の契約金額が記載されていることにより変更金額を算出できる場合も含みます。
イ、変更金額が変更前の契約金額を増加させるものであるときは、その変更金額が記載金額になります。
(例)当初の売買金額90万円を110万円とすると記載した文書、あるいは、当初の売買金額90万円を20万円増額すると記載した文書。記載金額は20万円。
ロ、変更金額が変更前の契約金額を減少させるものであるときは、その変更契約書の記載金額はないものとなります。
(例)当初の売買金額90万円を70万円とすると記載した文書、あるいは、当初の売買金額90万円を20万円減額すると記載した文書。記載金額のない文書。
(2)変更後の金額のみが記載され、変更金額が明らかでないときは、変更後の金額が記載金額となります。
(例)当初の売買金額を90万円に変更すると記載した文書。記載金額は90万円。
2、変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明かでない場合
(1)変更後の金額が記載されているときは、変更後の金額が記載金額となります。
これには、変更前の契約金額と変更金額とが記載されている等により変更後の金額を算出できる場合を含みます。
(例)当初の売買金額90万円を110万円とすると記載した文書、あるいは、当初の売買金額90万円を20万円増額すると記載した文書。
記載金額は110万円。
(例)当初の売買金額90万円を70万円とすると記載した文書、あるいは、当初の売買金額90万円を20万円減額すると記載した文書。
記載金額は70万円。
(2)変更金額のみが記載されているときは、変更前の金額を増額するもの及び減額するもののいずれもその変更金額が記載金額となる。
(例)当初の売買金額を20万円増額すると記載した文書、あるいは、当初の売買金額を20万円減額すると記載した文書。
記載金額は20万円。
契約金額を変更する契約書の記載金額
http://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7123.htm
契約内容を変更する文書
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/7127.htm