
「家を売りたいんですけど」
電話に出て、最初に聞いた言葉でした。
詳しく話を聞いてみると、任意売却をすることは問題なさそうですが、固定資産税を100万円程滞納しています。当然、役所からは差押えされていますので、売却時に全額精算しなければいけません。
住宅ローンの支払いが厳しくて売却しようという方が、失礼ですがそんなお金を持っているとも思えません。
「固定資産税を精算しないと差押え解除してもらえないんです。差押え解除できないと所有権移転もできませんので、、、つまり売却は出来ないんです」
伝えると、
「じゃー、税金払えばいいんですか。一応引越しのお金とかは準備しているんで、借りて返すことも出来ると思います」
「100万円をですか?」
「はっきりした理由があれば大丈夫だと思います。先に支払った方がいいですか?」
「払えるなら支払った方がいいですけど、目途が立てばとりあえずは大丈夫ですよ」
「わかりました。じゃあ、確認してまた連絡します。」
ローン支払いの継続が困難だと判断して、計画的に動いているのだと思います。家族の生活をどうしていくかが大事ですので、計画的に物事を進めて行くことは素晴らしいことです。
でも、あえて言わせてもらうなら、税金を10年もためちゃダメです。
住宅ローンより、支払うべき優先順位は上ですよ。
【税金を滞納しちゃダメな理由】
・差押えを解除するには完納しなければいけません。
(差押え解除しないと売れません)
・競売になったとしても、税金は免除されません。
・自己破産をしても免責になりません。
・延滞金も発生します。
平成25年12月31日までは、
納付期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間:年4.3%
その後の期間:年14.6%
平成26年1月1日からは、
納付期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間:年2.9%
その後の期間:年9.2%